就活を進めるなかで「選考は何社くらい受けるべきなの?」「多ければ多いほどいいの?」と迷ってしまう就活生は多いです。しかし就活で何社受けるかにこだわりすぎると、企業研究が不十分になったり、不採用が続いてしまったりと悪い影響を与えかねません。本記事を参考にして、自分にとってベストな数を考えていきましょう。
独自調査:ばらつきはあるものの約半数が20~30社という結果に
(ABABA独自アンケート調査)
ABABAの利用者にアンケートを取ったところ、それほど就活生のエントリー数に法則性は見られないものの、約半数が10社~30社という結果になりました。
10社以下の方も多いため、40社50社とやみくもな数へのエントリーがベストではないともいえるでしょう。
就活は何社受けるのがベスト?
就活を進めるなかで「何社くらい受けるべきなのかわからない」と戸惑う学生は少なくありません。しかし、就活は何社受けるかが重要ではなく、自分にマッチした会社がどこかを考えるようにするのがよいでしょう。
受ける会社が多すぎると企業研究に時間が割けなかったり、逆に少なすぎると不採用だったときに困ったりと、どちらに偏ってもデメリットが生じるおそれがあります。そのため、自分にとってバランスのよい数に絞ることが大切です。
多くの就活生は10〜30社程度受けている
バランスよくエントリーを受けるのがいいと言っても、どれくらいが丁度いい数なのかわからないという方もいます。調査でも確認できるとおり、新卒の就活生は10〜30社程度、エントリーをしていると言われているため、この数を目安に自分に合う企業を絞っていくとよいでしょう。
エントリーとは、会社説明会の案内や選考スケジュールなどの情報をもらうことで、それ自体は選考には含まれません。そのため「念のためエントリーしてみたけど、次の選考に進もうか迷っている」という場合でも途中で辞退することが可能です。
そのうち内定がもらえるのは平均2〜3社
最初にエントリーした数のうち、内定がもらえるのは平均2〜3社と言われています。つまりエントリー10社に対して1社内定がもらえるということになりますが、しかしこれはあくまでも平均の数値です。
エントリーしたけど実際の選考に進んだ数は少ないという就活生も多く、個人差があるため、参考程度に留めておくとよいでしょう。
文系と理系のエントリー数比較
文系と理系のエントリー数を比較しました。
以下の表をみてみると、基本的に理系よりも文系の方が多くエントリーすると分かります。
また、男女の差でみると、文系は男子方が、理系は女子の方が平均1社から2社程度多くエントリーする傾向にあります。
◆平均エントリー数
文系 | 理系 | |
24卒 | 27.6社 | 18.2社 |
23卒 | 22.7社 | 14.2社 |
22卒 | 26.7社 | 18.1社 |
文系のエントリー数
文系は理系よりも学ぶ範囲が広く、それに伴い自分に適した業界や職種も幅広い傾向です。また、文系出身は基本的にどのような組織でも活躍できるとされているため、選択肢が多くなるといえるでしょう。
これに応じて文系は、理系よりもエントリー数がおよそ1.5倍になることが特徴です。
また、文系は就職活動にかける時間を比較的多くとれるため、それがエントリー数に影響するとも考えられます。
理系のエントリー数
理系学生の多くが「大学で学んだり身につけたりしたことを活かす企業に入りたい」「大学で研究した内容に関連する会社で活躍したい」など、志望する業界が明確である傾向にあります。
また、志望する業界の専門性が高いこともあり、その結果、文系と比較してエントリー数が少なくなるといえるでしょう。
さらに、理系学生は学校推薦を受ける場合もあるため、必然的にエントリー数が絞られると考えられます。
〇社しか受けていなくても大丈夫?ケース別に解説
就活生の多くが10社から30社受ける一方、それよりも少ない数でエントリーする場合、どのようなことが予想されるのでしょうか。
以下では、エントリー数を10社、5社、1社とした場合の注意点や実例をご紹介します。
10社受けた場合
10社は平均よりも少ないエントリー数であるため、内定をもらえる確率も低くなることが考えられます。また、自分の価値観にマッチする企業と出会えず、すべての企業に落ちてしまうことも懸念されます。
そのため、すべて落ちた場合をあらかじめ想定して行動しなければ、万が一全社不合格だった場合に遅れを取り戻せなくなることも想定されるでしょう。
一方で、既に内々定をもらっている状態や、倍率の低い企業に絞った応募であれば、10社でも内定を獲得できる可能性はあると考えられます。
5社しか受けていない場合
5社は平均のエントリー数よりも大幅に少なく、内定獲得は非常に難しいといえます。
一方で、やりたいことが明確に定まっており準備を徹底した就活生が、3社しか受けなかったにもかかわらず全社内定を獲得したケースが過去にありました。
これは希なケースではあるものの、志望する業種や職種がはっきりしており企業分析を徹底したため、少ないエントリー数でも内定を獲得できたといえるでしょう。
ただし、5社しか受けなかった場合の内定確率はおよそ10%であるため、一般的にはおすすめしません。
そもそもエントリー=応募ではないため、就職活動の幅を広げるためにも気楽に考え、受ける数を増やすとよいでしょう。
1社で終わってしまった場合
1社しか受けないことは、落ちた時への滑り止めが全くなく非常にリスクが高いといえるでしょう。選考期間は限られているため、仮に落ちてしまうと取り返しのつかない状況になりかねません。
一方で、志望する企業とつながりがあり優先的に採用してもらえるケースや、通常と異なる選考フローで内定を獲得できる人においては、1社しか受けなくてもさほど問題はないといえます。
もしも1社に絞るのであれば、最低限以下のことを徹底するとよいでしょう。
- 企業研究を徹底的に行う
- 面接や試験への対策を万全にする
- 理系の場合は推薦枠を活用する
就活で多くの企業を受けるメリット
ここからは就活で多くの企業を受けるメリットについて解説します。就活で受ける企業数はバランスが大事と述べましたが、多くの企業を受けることで生じるメリットもあるため、事前に確認しておきましょう。
就活の視野が広がる
就活で受ける企業数を多くすると、いろんな企業と出会うチャンスが増えるため、その分視野が広がりやすくなります。今まで興味がなかった業界でも、実際に話を聞いたり、会社の雰囲気を知ったりすることで、新たな発見につながるでしょう。
また複数の企業を比較できるため、自分はどんな会社に就職したいのかが明確になり、入社後のミスマッチも防げます。
選考の経験を多く積める
就活で受ける企業数が多いと、書類選考や筆記試験、面接といった選考を受ける数も多くなるため、場慣れしやすくなるというメリットがあります。
何回も緊張する場面を経験することで、落ち着いて対処できるようになり、第一志望の面接でも実力を発揮しやすくなるでしょう。
自分に合う企業を見つけられる
複数の会社にエントリーすることで、企業を比較できます。
そのため、自分の価値観だけでなく企業同士を比較することで、自分との相性を見極めたり、新たな魅力を見つけられたりできるでしょう。その結果、自分に見合った条件が分かり、入社後のミスマッチを回避できます。
企業も多くの就活生を比較して採用します。反対に、就活生が企業を比較することで自分がどの会社とマッチするのかを分析できるため、多くの企業を受けることは大切な作業といえるでしょう。
内定率が上がる
多くの企業を受けることで面接の数をこなし、場慣れできるため、就職試験における実力が身につきます。また、企業の数が多ければそれだけESも複数枚作成するため、質そのものの向上が期待できます。
その結果、ESの通過率の向上が見込まれるほか、面接まで達するケースも多くなり、内定率が上がると考えられるでしょう。
就活で多くの企業を受けるデメリット
ここからは逆に就活で多くの企業を受けるデメリットについて解説します。できるだけ多くの企業に応募しておきたいと考えている就活生も、事前にデメリットをチェックしておきましょう。
企業研究にかける時間が少なくなる
前述した通り就活で多くの企業を受けると、企業研究に割ける時間が少なくなってしまいます。企業研究が不十分なまま面接に臨むと、志望動機に説得力がなくなったり、うまく受け答えができなくなったりと、不採用につながるおそれがあるため注意が必要です。
選考前に十分な企業研究ができるよう、エントリー数はあまり多くしないほうがよいでしょう。
就活の軸が定まっていないと思われる
就活で幅広い業界にわたって数多くの企業を受けると、採用側に就活の軸が定まっていないと思われるおそれがあります。いろんな企業を受けたいからといって、やみくもに選考を受けてしまうと志望動機に一貫性が生まれなくなり、説得力がなくなるため注意が必要です。
エントリーをする前に自分の就活の軸は何かを、自己分析をして明確にしておきましょう。
スケジュール管理が難しくなる
数多くの企業を受けると、説明会や面接が多くなり、スケジュール管理が難しくなるというデメリットがあります。また就活だけでなく、学業に支障をきたすおそれもあるため注意しましょう。
そのため、エントリー数は「自分の就活の軸にあった企業なのか」「企業研究をする時間が十分に確保できるか」「スケジュールが詰まりすぎていないか」などを踏まえて決めていくのがおすすめです。
就活で合格率を上げるポイント
ここからは就活で合格率を上げるためのポイントについて解説します。「何社も受けたのになかなか内定がもらえない」「受ける企業数は絞ったけど、受かるか心配」という方は下記の5つのポイントをチェックしてみましょう。
1. 就活の軸を見つける
2. 自己分析を再度行う
3. 業界や企業研究をする
4. 履歴書やESを見直す
5. 大学のキャリアセンターや就職エージェントを活用する
1. 就活の軸を見つける
先ほども少し触れましたが、就活で合格率を上げるためには就活の軸を明確にしておくのがおすすめです。就活の軸とは「就職をするうえで譲れない条件」のこと。
自分がどんな企業に就職したいのかを明確にしておくことで、一貫性のある志望動機をアピールできたり、入社後のミスマッチを防げたりとさまざまなメリットがあります。説得力のある志望動機は、採用側にいい印象を与えられるでしょう。
2. 自己分析を再度行う
合格率を上げるためには、再度自己分析を行ってみましょう。自分は今までどんな価値観を大事に生きてきたのか、何をしている時が楽しいか、得意なことは何かを、自分の過去を深掘りしながら書き出していくのがおすすめです。
自分のことをよく知ることで、おのずと行きたい企業や業界、就きたい職業を絞ることができ、実際に何社受けるかを明確にしやすくなります。
3. 業界や企業研究をする
合格率を上げるためには、業界や企業研究も深掘りして行いましょう。業界や企業に対する理解度の高さは、志望度の高さにもつながります。
ホームページを見ただけではよくわからないと思ったら、会社説明会や就職イベントなどに積極的に参加してみるのもおすすめです。さまざまな企業を知り、そこで働いている人の話を直接聞くことで、受けたい企業も明確になるでしょう。
4. 履歴書やESを見直す
合格率を上げるためには、履歴書やESの内容を見直すことも重要です。客観的に見てわかりやすいか、漠然とした内容になっていないか提出前に再度読み返してみましょう。
また前述した通り、自己分析や企業研究を深く行っていけば、自然と自己PRや志望動機の内容も説得力のあるものにブラッシュアップできるはずです。
5. 大学のキャリアセンターや就職エージェントを活用する
合格率を上げるためには、積極的に大学のキャリアセンターやエージェントに相談するのがおすすめです。
第三者目線で意見をもらうことで、自分が知らなかった企業を知れたり、自己分析のやり方がわかったりとたくさんのメリットがあります。自分1人で考えすぎず、気軽に相談してみましょう。
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就活は何社受けるかが重要ではない!自分とマッチした企業を探そう
就活生は平均何社受けているのか、多くの企業を受けるメリットやデメリット、合格率を上げるポイントまで幅広く解説しました。就活においてはあまり何社受けるかにこだわりすぎず、自分の就活の軸や価値観に合った企業に絞ってエントリーすることが重要です。企業研究や事前対策をしっかり行なって、内定獲得を目指しましょう。