「面接で自分だけ質疑応答が秒で終わった」。京都大院・東北大院の受験者と同席したグループ面接で、学歴フィルターの現実を突きつけられたFさん。それでも学内最大規模のサークル運営という実績を武器に選考を突破しつつある。学歴フィルターの実態から ES 添削術、企業説明会の“裏側”チェック方法まで赤裸々に語ってもらった。
※プロフィール写真はAI加工された画像を用いています。
プロフィール
- 大学・学部:國學院大學 法学部 3年(Fさん・匿名)
- 就活状況:サマーインターン25〜30社応募 → 現状6社選考通過/飲料系の会社で長期インターン中
- 強み:フットサルサークルを200人規模に拡大した逆算思考
- 主な情報源:ワンキャリア・就活会議・学内ES添削

サークルでの経験とモンスターの営業が原点の大学生活
──本日はラフにインタビューさせていただければと思います。はじめに、どんな大学生活を送っていたのか教えてください。
大学ではフットサルサークルに所属していて、そこでできた友達と一緒に授業を受けたり、大学が終わった後は遊びに行ったりというすごく一般的な大学生活を送っていました。
長期インターンでは、飲料系の会社のダイレクトマーケティングというほぼ営業みたいなことをしていました。インターンでは、学生の間でモンスターを流行らせようよ、みたいなことをやっていて最近だとモンスターが契約しているプロダンサーを呼んでワークショップをやったり、テイスティングイベントをやったりなど、いろいろ企画しながら進めています。月のノルマでの営業もありますが、基本的にはモンスターのファンを増やす活動をしています。
就活を意識したきっかけ
──現在は3年生とのことですが、就活のご状況はいかがですか?就活を意識し始めたきっかけはなんですか?
いまはサマーインターンの選考結果がそろそろ確定する時期で、進捗としては可もなく不可もなくといった感じかと思います。
就活を意識したきっかけとしては、サークルの先輩たちが就活を始めるのが早く、その姿を見ていたためなるべく早く始めたほうがいいのかなと思い4月ごろからは実際にESの添削を大学内のキャリアサポート課にもっていっていました。
──周りもサマーインターンに行っている人は多いですか?
周りも類友みたいな感じで、僕自身もおせっかいで周りにいけいけ言っているので、自分の周りはほとんど行ってます。ただ、全体としてみるとサマーインターンにあまり重きを置いていない人は多く、肌感としては半々くらいだと思います。そもそもサマーインターンはほぼ通らないので、ほんとは応募しているけど落ちて行っていない人も多いんじゃないかなと思います。
サークルの勧誘目標 200人を実現したガクチカ
──Sさんもおっしゃっていた通り、サマーインターンはなかなか通りにくいと思います。その中で、Fさんはすでに6社も通過を決めているとのことですが、ESにはどんなことを書きましたか?
大学1年生の時に入会したサークルを、自分が会長に就任時に学内最大規模のサークルまで成長させた経験を記載しています。
──具体的にどうやって人数を増やしたんですか?
そもそも、自分たちのサークルは身内ノリっぽさの強いサークルで、新入生もそんなに入会するようなサークルではありませんでした。ただ、自分は人と関わるのが好きだったのでどうにか人数を増やしたいと思い、まず新入生の求めているニーズを分析し言語化して、幹部たちに協力を仰ぎました。
具体的に行ったこととしては、年3回のみだったイベントを12回にしてキラキラしたサークルに見えるようにしたことと、チラシの反応率(※配布されたチラシから入会行動を起こした割合)を10%に設定し、なんとか10%入会するように行動しつつ、200人入会を目標としていたのでチラシを2000枚刷ってそれを配り切りました。結果は本当に200人以上のサークルへの入会をさせることができました。
──それはすごいですね・・・。ESは盛って書いたという話はよく聞きますが、なにか盛ったりしましたか?
よく見せるためにかっこいい言葉を使ったり、小難しい言葉を入れたりはしたんですが、数字を盛るようなことはしていないですね。数字を盛ると面接の際に結局ばれそうですし、ある程度ちゃんとした数字だと思っているので。(笑)

就活を始めて感じたリアル
──かなりしっかりしたガクチカをお持ちですが、ESはどのくらい通過していますか?
サークルの会長をやっていたことがウケがいいのか、ESはかなり通っています。
ただ、住友とか三井とかの財閥、大手系はESというより学歴だとかWEBテストの点数を見られているのか、なかなか通らないことが多いです。
それでも意外と、ESさえ通ってしまえば上の学歴の人ともフラットに戦えるんだなというのも感じています。
説明会と口コミが真逆?──情報ギャップの実例
──就活の情報はどうやって集めることが多いですか
企業研究は就活会議というアプリとWEB検索を利用しています。その他、ワンキャリアの体験談はすごく参考になっています。インターンに通った人や社内の雰囲気がかなり赤裸々に書いてあり、批判されている企業はきちんとされていて、項目ごとに星の数で評価されるシステムが分かりやすいです。
説明会も何社か参加しましたが、人事の人たちがいろいろうまいのでどこの会社もよく聞こえて入りたいとなってしまわないように、合う合わないをしっかり見極めるようにしています。
──説明会の情報と世に出ている情報でのギャップを感じた瞬間はありますか?
そうですね。流石に企業名は言えないですが、バリバリのベンチャーの説明会に行ったときは、残業はほぼなくワークライフバランスもしっかりしていますみたいな説明を受けたにも関わらず、就活会議のアプリを見てみたら残業バリバリしてるじゃん、ってなったことはあります。説明会だけの情報だと落とし穴にはまっちゃうのかなと。
──なるほど。説明会を受けてみて、その後実態を調べるような流れなんですか?
ワンキャリアで一旦説明会を申し込んだ後に、調べてみるとやばい会社だったみたいなことは結構あります。就活会議の星5段階評価で成長率が4.5とかを超えてくると、そんな会社そうないのでやばいっていうのはよく聞きますね。ちなみにさっきお話したベンチャーはほぼMAXでした(笑)。その会社は8時でPCの電源が切れると説明会で話していたんですが、残業時間の星の数もMAXでした。PCの電源切れたあとはスマホとかで仕事するんですかね(笑)。
今時ブラックであることを隠して入社までこぎつけるなんて、ネットからの情報リテラシーも上がっている世の中なので難しいと思います。だったら最初から覚悟のある人だけ来てくださいみたいな感じで募集してほしいですね。
学歴フィルターを突きつけられた面接
──話は変わって、これまで就職活動をしていくなかで、苦労していることはありますか。
一番最初はESをどう書くかで悩んでいたんですが、今はそこはもう乗り越えて、資格とかSPIの点数の不足で悩んでいます。
──面接も受けられているとのことですが、面接では苦労していることはありますか?
自己紹介を1分でしてくださいとかは、ぺちゃくちゃ喋りたいタイプなので、どこまで話したらいいかで悩んでいます。現状では面接は結構通過できているので、自分の中で対策しようという意識が薄くなっちゃってますね。ただ、これからは本選考も始まるので、大学のキャリアサポート課なども活用して練習していかないとなと思ってます。
某M&A会社の面接の実態
──話すことが上手いので通過されるのも納得です。面接を受けてきて印象に残った面接はありますか?
これは2つあって、1つ目が某M&A会社の面接に臨んだ時なんですが、この時の面接がグループ面接で、自分が周りとの学歴でのコンプレックスがある中、京都大学の大学院生と東北大学の大学院生の3名で受けることになってしまいました。
面接を進めていって、ガクチカとかのエピソードはむしろ自分が一番強いなと思っていた矢先、質疑応答がなぜか自分だけなく、その後すぐに次の人を呼ばれて、なんだこの会社?と思いました(笑)。
──これは明らかにFさんに対する質問の数が少ないとかそういうことなんですかね?
そうですね。本当に秒で終わりました。ガクチカを話終わった後すぐに「ハイ、次」と言われて・・・。実際に自分に就活のアレコレを教えてくれていた先輩もこの会社を受けて、対応が悪かったためM&A業界に行くことをやめる決断をされていたので、面接官のあたりはずれもあるとは思いますがぶっちゃけ國學院の自分の周りからはかなり評判悪いです。
──ひどい面接官もやっぱりいるんですね。もう一点はどんな面接ですか?
もう一つが、実際に営業をしてみる提案面接みたいな感じの面接で、5分間の間に2つ渡された商品のうちどちらかを売り込んでくださいという形だったんですが、本格的な営業はやったことがなかったので、全体向けではありますがFBをもらえ、勉強になるなあと感じました。
──その面接はどこの企業で行われたんですか?
キーエンスですね。勉強になることも多く、楽しい面接でした。
──営業が強いと言われる2社ですごい対比ですね。話は戻りますが、某M&A会社では学歴フィルターを突破するためにこうしたらよかったなということはありますか?
実はその時が初めての面接で、面接怖いなと思うトラウマ級の出来事ではありました。正直あの時なにかできたかというと、うーん。って感じです。本当におしゃべりが上手くて、芸人みたいに笑わせるとかならワンチャンって感じですかね。
確かにはじめての面接で多少タジタジはしたんですが、質疑応答もしてもらえないほど受け答えがちゃんとできていなかったわけでもないので、完全に学歴フィルターだったなと思います。
インターン経験と面接での使い分け
──学歴フィルターはやっぱりあるんですね。ちなみにFさんはガクチカでサークルでの経験とインターンでの経験の二軸があると思うんですが、どういう使い分けをしていますか?
長期インターンは結構ありきたりという噂は聞いていて、みんなインターンのことをしゃべりだすみたいな。だったら企業は完成された人を求めているわけではなくて、人間性とか再現性を持っている人を求めていると考えているので、どっちの経験のほうがその項目に関して話せるか考えると、サークルのリーダーとかで引っ張っていける能力を話したほうが就活的には強いかなと思ってます。
──なるほど。そうするとインターンに関しては聞かれた時だけ答えるくらいなんですか?
実はESの途中に「インターンで培った」というワードだけを入れていて、そこ突っ込んでくれないかなっていう餌を撒いてます(笑)。ESの文字数も決まっている中で、面接の際にもし聞かれた際は完璧に話せるような準備はしています。
他にも、例えば「理想のサークル」ってESに書いてどんなのが理想ですか?っていう突っ込みどころを準備するとか、面接官がここ聞きたいなってなるところをあえて抽象的にしてます。それでまんまと面接官も突っ込んでくれて(笑)。
インターンはありきたりって聞いたものの力を入れてきた項目の一つではあって話したいことなので、どうにかうまく差し込めないかなと思ってこういう手法をとりました。
今後の就活方針と意気込み
──今後どうやって就活を進めていく予定かお伺いできますか。
夏季インターンを経て、早い企業だと早期選考もどんどん始まっていくと思うんですが、とりあえず数うちゃ当たれの精神で業界は絞らず、業界絞ったところで行きたいところに受からなかったら意味がないので、いろいろ受けて受かったところで自分に一番合うところに就職したいです。
──内定をもらった中でどんな企業に就職するつもりですか。
大手すぎると歯車の一つになっちゃうんじゃないかという勝手な偏見もあり、自分があこがれる上司についていきたいなと思っているので、バリバリ働いて、人間としても成長できるような企業に入りたいと思っています。
──今後の就活への意気込みをお願いします。
大学で一番早く一番いいところに就職を決めたいですね。こんなところいけたんだみたいな。國學院だけどこんな有名企業に内定もらったぞってなりたいです。もちろんそれで本当にやりたいことからぶれたら元も子もないですが、そのために資格の勉強とかTOEICも今勉強していて、学歴分のマイナスを資格で取り返したいですね。
──学歴フィルターを感じた経験から、高学歴には負けたくないみたいな気持ちは強いですか?
面接で同席した時は、いつでもやってやんぞって感じですね(笑)。GDとかで自分より上の学歴が一緒だったときはスイッチ入ります。しゃべったら絶対に自分の方が優れていると思っているので。その自信くらいはないと勝てないと思ってます。

まとめ
- 学歴フィルターは“ある”。だが数字で語れる実績とES突破で土俵に上がれる
- 説明会は広報。口コミで裏付けし、ギャップが大きい企業は要警戒
- 逆算思考はガクチカ・面接・インターンすべてに転用できる万能スキル
今すぐABABAでプロフィールを公開してスカウトを受けたり、REALMEのAI面接で企業ごとに面接対策をしたり──情報武装で就活をアップデートしよう。