就活生の中には、就職浪人を検討している方もいるかもしれません。そこで本記事では、就職浪人と就職留年・第二新卒との違い、就職浪人以外の選択肢などを紹介します。就職浪人をできるだけ避けるべき理由や、内定獲得のポイントについても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
就職浪人とは
就職浪人とは、新卒で大学を卒業した後、引き続き就職活動を行う就活生のことです。
新卒の就活で思うような結果を得られなかったり、内定をもらえなかったりしたときに就職浪人を選択する場合があります。
また、内定辞退者や、あえて就活をしなかった人も、就職浪人に含まれます。
就職浪人と就活留年の違い
就職浪人と就活留年の大きな違いは、就活を続けるにあたって大学を卒業するかどうかです。
・就職浪人…大学を卒業後に引き続き就職活動を行う就活生
・就活留年…大学に在籍したまま就職活動を続けること
就職浪人は大学を卒業するため既卒扱いとなりますが、就活留年は新卒扱いで就活に再挑戦できます。 そのため新卒枠での応募をしたい場合は、就職浪人を選ぶといいでしょう。
ただし、大学に在籍する分学費がかかることから、自分の状況と照らし合わせて慎重に検討することが大切です。
就職浪人と第二新卒の違い
就職浪人と第二新卒の違いは、社会人としての正社員勤務経験があるかどうかです。一般的に、就職浪人と第二新卒は以下のように分けられます。
・就職浪人…大学を卒業後に社会人経験のないまま就職活動を行う就活生
・第二新卒…新卒で入社したあと社会人経験が3年未満の若手人材
第二新卒は基本的なビジネスマナーが身についていることから、少ない教育コストで採用できるとして積極的に採用する企業もあります。
もしも内定が出た状態で就活浪人を検討している場合は、一度就職してから転職することも検討してみましょう。
就職浪人の現実
金銭的な理由から就職浪人を選ぶしかない状況の場合、仕方のない選択であるといえます。しかし、それ以外であえて就職浪人を選択しようと考えている場合、あまりおすすめできません。
「新卒枠」に入りたい場合は就活留年、内定を得ている場合は第二新卒として転職を目指す道も検討してみてください。
就職浪人を避けるべき理由
就職浪人にはさまざまなデメリットがあるため注意が必要です。ここでは、就職浪人を避けるべき理由について詳しく解説します。
・マイナスイメージを抱かれる可能性がある
・企業によっては既卒扱いとなる可能性がある
・インターンシップに参加しにくくなる
・精神的な不安が大きくなりやすい
・相談先が少なくなりやすい
・同じ会社を受けると落とされる可能性がある
・アルバイトで稼ぎすぎると扶養から外れてしまう
それぞれ1つずつ見ていきましょう。
マイナスイメージを抱かれる可能性がある
浪人というと、「受験の浪人生」のイメージが強いかもしれません。受験の場合は合格点を超えれば必ず受かりますが、就活の合否は企業が判断します。
就職浪人を選んだ明確な理由があれば問題ないですが、なんとなく就職浪人を選んでしまうとマイナスの評価を受けるリスクがあります。
既卒扱いとなり応募できる枠が減る可能性がある
就職浪人は、基本的に既卒扱いとなります。そのため、新卒しか採用していない企業に応募できない点は大きなデメリット。
企業の採用枠は大きく「新卒」「第二新卒」「既卒」「中途採用」のくくりに分けられ、就職浪人の場合は「既卒」または「中途採用」での応募となります。
インターンシップに参加しにくくなる
企業によっては、インターンシップに参加することで選考を受けやすくなる場合があります。しかしインターンシップは学生向けに行われるため、既卒の就職浪人は基本的に応募できません。
中小企業やスタートアップなど柔軟性の高い企業では受け入れてくれる可能性もありますが、通常は難しいことを知っておきましょう。
精神的な不安が大きくなりやすい
就職浪人を選んだことで、精神的な不安や焦りが出やすくなります。「今年も就職できなかったらどうしよう」「この選択は間違っていたかもしれない」といったように悩んでしまうかもしれません。
相談先が少なくなる
大学を卒業すると、キャリアセンターなどのサポートを受けられなくなります。また、他の就活生との交流も減りやすく、相談先がなくなる恐れがあります。
就職浪人を選択した場合も悩みは1人で抱え込まず、エージェントや友達・家族などに相談してみましょう。
同じ会社を受けると落とされる可能性がある
就職浪人をする人の中には、第一志望の企業を受け直したいと考えている方もいるでしょう。しかし志望先の企業が就職浪人の応募を受け入れていたとしても、受かる保証はありません。
特に二次面接や最終面接まで進んでいた場合、「昨年不合格だった人材」として、かえって早い段階で落とされてしまうこともあります。
このようなリスクを踏まえた上で、それでも受け直したいか考えましょう。
アルバイトで稼ぎすぎると扶養から外れてしまう
アルバイトで稼ぎすぎると扶養から外れてしまう点にも要注意。
金銭的な理由で就職浪人を選ぶ場合、アルバイトやパートで働きながら就活を続ける方がいます。しかし稼ぎが103万円を超えた場合、扶養から外れてしまう（※）ため、注意が必要です。
※ “国税庁 公式HP” 参照
就職浪人以外の選択肢
ここからは、就職浪人以外の選択肢を紹介します。
・就職留年する
・休学する
・フリーターとしてアルバイトで働く
・フリーランスや個人事業主として働く
・公務員試験を受ける
それぞれ1つずつ見ていきましょう。
就職留年する
学費を支払える場合、就職留年なら新卒扱いで就活を続けられます。
一方で学歴にはブランクが生まれるため、期間中の学びや経験についてポジティブに伝えられるよう準備しましょう。
休学する
単位が足りていても、休学手続きを踏めば就職留年と同様に新卒で就活を続けられる場合があります。ただし申請や休学中の学費、条件などは大学ごとに異なるため、事前に確認しておきましょう。
休学する場合も就職留年と同じく、休学期間中の学びや経験について伝えられるようにしておくことがポイントです。
フリーターとしてアルバイトで働く
フリーターは正社員としての就職するのではなく、アルバイトやパートの仕事で生計を立てる働き方です。複数の仕事を組み合わせられるため、多くの経験をしたい場合はメリットもあります。
しかし一方で、正社員と比較すると収入の不安定性や福利厚生などで不利な点があるのも事実。明確な理由がある場合は問題ないですが、まずはアルバイトをしながら就活をすることをおすすめします。
フリーランスや個人事業主として働く
特定の企業に就職するのではなく、フリーランスや個人事業主として働く選択肢もあります。スキルや専門知識があれば、売り込み次第で収入を得ることも可能です。
具体的には、Webライターやエンジニア、デザイナーなどの職種があります。雇用契約を結ばずに業務委託形式でお客さんと取引するため、時間や場所に縛られない働き方ができます。一方で毎月の収入は保証されないため、メリットとデメリットを比較して慎重に検討しましょう。
公務員試験を受ける
公務員試験を受ける選択肢もあります。
公務員試験は民間の選考とは違い、就職浪人をしていても、合格水準に達することができれば採用してもらえます。ただし、明確な理由がないまま勉強のモチベーションを維持することは大変です。本当に目指したい場合のみ挑戦しましょう。
就職浪人で内定を獲得するためのポイント
ここからは、就職浪人で内定を獲得するためのポイントを紹介します。
・企業研究や自己分析をやり直す
・就活の軸を明確にする
・「就職浪人を選択した理由」を答えられるようにする
それぞれ見ていきましょう。
企業研究や自己分析をやり直す
就職浪人中は大学の授業やテストがないため、存分に対策時間を取れるのがメリット。企業研究や自己分析を徹底的にやり直して、本当に自分と合った企業を見つけましょう。
就活の軸を明確にする
就職浪人生であれば、就活の軸の設定は一通り経験していることでしょう。しかし一年就活をしてみて、価値観や考え方が変化しているかもしれません。再度就活をスタートする前に、就活の軸を一度見直してみましょう。
「就職浪人を選択した理由」を答えられるようにする
就職浪人として就活していると、面接で「なぜ就職浪人を選んだのか」「どうして内定を辞退したのか」といった質問をよくされます。
就職浪人を選択した理由が答えられなければ、「なんとなく浪人しているのかな」とマイナスイメージを持たれてしまう可能性も。就職浪人を選択した理由を明確にして、しっかり伝えられるように準備しましょう。
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就職浪人の選択をする前に回避できないか考えよう
就職浪人について、留年との違いや第二新卒との違い、避けるべき理由などを解説しました。就職浪人は新卒での応募ができなくなるため、できれば他の選択肢を選ぶのがおすすめ。早期から就職浪人を検討している場合は、他の道がないか見直してみましょう。本記事を参考に、納得できる就活を進めてみてください。
