就活においてアピールできる能力の1つが、適応能力です。
適応能力が高ければ、新しい職場や仕事内容に対してスムーズに馴染み、効率よく仕事ができます。
一方で、適応能力は数値や資格などの明確な基準が少なく、就活の際、どのように伝えればよいのかが分からないという人も多いでしょう。
今回の記事では、企業から適応能力を求められる背景や、適応能力の高め方、アピール方法などについて紹介します。
就活を控えている方はぜひ参考にして、相手に伝わる自己アピールを考えましょう。
適応能力とは?
適応能力とは、環境や状況に合わせて立ち位置や考え方、行動などを柔軟に変えられる能力です。
ただ立ち位置を変えるだけではなく、どのような行動をすればよいのか、自分の立ち位置が変わることによって周囲にどのような影響があるのかを適切に思考する能力も含まれます。
企業への入社時はもちろん、新しい技術の導入や部署移動などの、働くうえで避けられないさまざまな変化に対して柔軟に対応できることから、就活時には高く評価されます。
企画職やクリエイティブ職などの環境が変わりやすい職種を目指す人にとっては、特に評価されやすいアピールポイントです。
適応力が求められる背景
就活時に適応力が求められる理由は、以下の背景があるためです。
・VUCAの時代であるため
・人材の流動性が高いため
・テクノロジーの進化が早いため
それぞれの背景について詳しく解説します。
VUCAの時代であるため
VUCAとは、「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の4つの頭文字を取った言葉です。これは環境が目まぐるしく変化していて、将来の予想が難しい状況のことです。
VUCAの時代になりつつある理由として、新型コロナウイルスの世界的な蔓延が挙げられます。新型コロナウイルスの感染拡大によって、これまでの常識が通用しなくなったり、将来が不透明になったりしました。
変化の激しい時代であるため、適応能力が求められます。
人材の流動性が高いため
人材の流動性が高いことも、適応力が求められる理由の一つです。
これまでの日本は、同じ会社に定年まで勤める人が多い傾向にありました。しかし最近では働き方が多様化しており、人材の流動性が高まっています。例えば、企業で経験を積んでからフリーランスに転身するケースが増加しています。
仕事上で短期間にさまざまな人と関わる機会が増えていることは、適応能力の高さが重視されている理由です。
テクノロジーの進化が速いため
テクノロジーの進化も、適応力が求められる背景に含まれます。
近年、AIやIT技術は日々目まぐるしく発達しています。テクノロジーの進化が速く、新しい技術やシステムに素早く慣れる能力が求められる社会になりました。
特に最近では、DXを進める企業が増えています。DX化が進めば、スムーズに仕事に慣れるための適応力が求められます。
適応能力が高い人の特徴
適応能力が高い人には、共通して以下の特徴があります。
・好奇心が旺盛である
・どんな人にもコミュニケーションが取れる
・楽観的で前向きである
・全体を俯瞰で捉えられる
それぞれについて詳しく解説します。
特徴を把握して、適応能力が高い人材を見極めましょう。
好奇心が旺盛である
好奇心が旺盛な人は、適応能力が高い傾向にあります。なぜなら、好奇心が旺盛だと新しい価値観や知識を取り入れることに前向きなためです。
新しいことに前向きに取り組める人は、変化に対して抵抗がなく自然と高い適応能力を身につけています。加えて、自分と異なる考えや価値観を持つ人に対してもスムーズに受け入れられるため、さまざまな意見や価値観を吸収できるスキルがあります。
このように、好奇心が旺盛な人は変化や異なる価値観に抵抗がなく、前向きに捉えられるため適応能力が高いといえるでしょう。
どんな人ともコミュニケーションが取れる
コミュニケーション能力が高く、どのような人とでもスムーズにコミュニケーションが取れるという特徴もあります。
会社にはさまざまな性格や立場の人がいて、共に働く人との交流は欠かせません。しかし、なかにはコミュニケーションが苦手でなかなか職場に馴染めなかったり、苦手な人とはスムーズにコミュニケーションが取れなかったりする人もいます。
しかし、適応能力が高い人は性格に合わない面がある人、上司や先輩・後輩を問わず、スムーズにコミュニケーションが取れます。
楽観的で前向きである
楽観的で前向きな性格の人は、適応能力が高い傾向にあります。これは、楽観的で前向きな人はトラブルに慌てることなく対応できるためです。
仕事は必ずしも予定通りに進められるとは限らず、ときに思わぬトラブルに直面することや失敗することもあります。この際、適応能力が高い人は自分で判断してトラブル解決のためすぐ行動に移せます。
逆に、ネガティブで適応能力が低い人は、トラブルや失敗に悩むことやひどく落ち込む人がほとんどです。
全体を俯瞰で捉えられる
物事を俯瞰的に捉えられる人も適応能力が高いといえます。なぜなら、全体を俯瞰的に見られる人は今いる環境の変化や新しいことを把握でき、スムーズに取り組めるためです。
全体を俯瞰で捉えられる人は、目の前のことに一喜一憂しません。目的をぶれずに遂行できるため、新しいことや変化があってもスムーズに受け入れて、適応しようと努力します。
適応能力の高め方
性格や周りの環境で自然と適応能力が高い人はいます。しかし、以下の方法を実践すれば、適応能力が身についていない人でも高められます。
・固定観念や先入観を持たないようにする
・変化と多様性を受け入れる
・失敗や新しい体験を恐れない
・他者からの評価に耳を傾ける
それぞれについて詳しく解説します。
固定観念や先入観を持たないようにする
固定観念や先入観を持たないように意識しましょう。なぜなら、固定観念や先入観があると変化や新しいことを受け入れにくくなるためです。目の前で起こっていることのみで判断せず、裏側にある理由や経緯を知るようにすることで、適応能力が自然と向上します。
変化が生じたり新しいことが増えたりすると、「従来のやり方を変えたくない」と思うこともあるでしょう。しかし、変化に対応するためには固定観念や先入観を捨てることが大切です。
変化と多様性を受け入れる
環境や人間関係の変化は、時にストレスにつながります。しかし、それを受け入れる努力が大切です。
仕事は必ずしもずっと同じ環境や人間関係でいられるとは限りません。上司が変わって体制が変化したり、辞める人や新たに入社する人がいたりと、環境や人間関係の変化が起こることはあります。この際、変化をネガティブに捉えるのではなく、ポジティブに捉える努力をすることで、適応能力を高められます。
失敗や新しい体験を恐れない
失敗を恐れていると、新しいことにチャレンジできません。適応能力が低い人は、新しいことへの挑戦に対して「うまくできるか不安」「失敗したらどうしよう」と、マイナスに考える傾向にあります。しかし、意識的に「やったことがないなら、やってみよう」の精神を持つことで、適応能力を高められます。
挑戦に不安を感じても、積極的に新しいことにチャレンジしましょう。
他者からの評価に耳を傾ける
家族や友人からの評価に耳を傾けることも、適応能力を高める方法の一つです。なぜなら、他者からの評価に耳を傾けることで、周りの意見を柔軟に受け入れるスキルを身につけられるためです。
適応能力を高めるためには、自分の考えばかりに固執してはいけません。他の人からの意見に耳を傾けて、さまざまな角度からの考えを受け入れましょう。
場合によっては、「それは違う」と反論したくなることもあります。しかし、その場で反論すると今後意見をもらえなくなることもあるため、反論や言い訳をしたくても意見を受け入れる意識が大切です。
適応能力のアピール方法
就職活動では、筆記や口頭で自分の長所を伝える場面があります。
その際に、適応能力があることを伝えられると、職種によっては大きなアピールになるでしょう。
ここからは、適応能力のアピール方法を紹介します。
「グループにすぐ溶け込めた」というように具体例を交える
自己アピールのときは、単に「適応能力が高い」と告げるだけでは、どの程度高いかを伝えることが困難です。
適応能力をはじめとした自分の長所を伝えるときは、具体的な話を用いて伝えることが大切です。
具体的なエピソードを添えると、聞き手や読み手が能力について把握しやすくなります。
エピソード例
・2年生から入ったサークルに素早く順応し、入って1か月で2年生のリーダーを任されるほどになった ・小中高と転校が多かったため、どの学校でも早く馴染め、各地で親しい友人を作れた |
「柔軟性」「臨機応変な対応」など魅力的に言い換える
状況やエピソードによっては、「適応能力」という言い方では、細かいニュアンスが伝わらないこともあります。
「柔軟性」「臨機応変さ」など、状況に応じて名称を変え、相手に自分の強みが伝わる自己アピールをすることがおすすめです。
能動的に対応する「適応能力」と受動的に対応する「順応力」の差についても理解しておくとよいでしょう。
言い換え例
・技術やトレンドなどの変化が激しいIT業界でも、常に最新情報を吸収して仕事に活かしていきます ・与えられた仕事や自分の立ち位置に応じて、臨機応変に対応できるよう努めます |
適応能力のよいアピール例
・過去のエピソードを交えてアピールする ・企業で適応力をどのように活かしたいのかを伝える |
適応能力をアピールするときは、適応能力を身につけたり発揮したりしたエピソードに加えて、将来企業でどのように役立てられるのかを交えて伝えることが有効です。
「部活で身につけたコミュニケーション能力を活かし、上司や同僚と連携を取り合って仕事を進めたい」「留学経験で得た広い視野とチャレンジ精神で、さまざまな仕事に挑戦したい」など、自分の適応能力を活用した会社への貢献方法をアピールするとよいでしょう。
適応能力のもっとよくなるアピール例
・適応能力を身につけたきっかけのエピソードを伝える ・自分の意志を持って適応できることを伝える |
適応能力を身につけるきっかけになった具体的なエピソードがあるときは、分かりやすく簡潔に伝えることが大切です。
具体的なエピソードがあることで、就活のためのアピールではなく、その人の本来持つ長所であると認知されやすくなります。
「転校が多かったため、すぐに周囲に順応するスキルを体得した」「ゼミの活動で準備していた方法が失敗した際、計画の再調整や方法変更の提案で、柔軟な対応力が得られた」など、適応能力を身につけるきっかけになった出来事を伝えると、採用担当者の印象に残りやすくなります。
適応能力のアピールがうまくいかない例
適応能力の高さをアピールする際、うまくアピールできないことがあります。例えば、「自我がない」「流されやすい」と思われたり、一貫性が保てていなかったりすると、適応能力をアピールできません。
ここからは、適応能力のアピールがうまくいかないケースを具体的にご紹介します。
「自我がない」「流されやすい」と思われる
前述の通り、適応能力の高さは社会において必要なスキルの一つです。しかし、場合によっては「適応能力が高い=流されやすい」と捉えられることがあります。
エピソードを伝える際、「主体性がない」と判断される内容のエピソードはマイナスです。自主性を伴っていることが分かるように、エピソードを組み立てて話しましょう。
一貫性が保てていない
一貫性が保てていないと、志望度が低いと判断される可能性があります。特に、面接や書類に書いたエピソードと、「適応能力が高い」アピールが矛盾しないように一貫性を保つことが大切です。
例えば、過去の失敗談を聞かれてコミュニケーション能力が低いエピソードを話したり、環境に馴染めず苦労したことを話したりすると、適応能力が高いことのアピールと矛盾します。この場合は、過去の失敗談を聞かれた際に適応能力が高いこととの矛盾が生じないエピソードや言葉選びが大切です。
適応能力を活かせる職種・業界
・クリエイティブ系 ・営業 ・企画 ・IT業界 ・コンサルティング |
適応能力はどのような職種でも役立ちますが、特に新しい技術に対応しなくてはならないIT業界や、流行に左右されやすいクリエイティブ職や企画職で重視されます。
求められる知識やスキルの移り変わりが速く、常に学ばなければならない職において、適応能力は特に重要です。
AI面接「REALME」で自己PRの型を見つけよう
就職活動においてアピールすべき自分の強みを分析したい方には、 「REALME」の利用がおすすめです。
REALMEなら、AIを用いて自分の能力を分析できます。
「適応能力が他の就活生と比べて高いか低いか」を、グラフや数値を用いて客観的に判別できます。
過去の学生データから「適応能力」を含む自己分析ができる
「適応能力」は、「REALME」の結果として提示される項目としては「柔軟性」「関係構築力」にあたります。
この2つの数値を見れば、自分の適応能力がどの程度であるかを、一目で判断可能です。
また、REALMEでは、これらの数値を、蓄積してきた過去の学生データと比較できるため、他の人と比較して自分がどこを強みとしているかを判断できます。
「柔軟性」「関係構築力」以外にもさまざまな能力を分析できるため、アピールできる自分の強みが明確になります。
AIで志望企業に受かるための最適なアピール方法が分かる
「REALME」では、AIによる模擬面接を受けられます。
AIとの面接内容から、適応能力を含む多様な能力の判定と、企業ごとに定められた採用要件に基づいた内定判定が算出されます。
それらを活用することで、面接での受け答えや自己PRの改善に有効です。
フィードバックを反映して、適応能力を含む自分の強みを具体的に伝えられる練習をしましょう。
行きたい志望企業の内定可能性を事前に判定できる
「REALME」では、人気の企業を中心とした200社前後のデータを活用して、志望企業や近い業界に対して、現時点における内定の可能性を判定できます。
たとえば、自身の適応能力(REALMEでいう「柔軟性」「関係構築力」)が、志望企業の求める水準に位置するかの判別が可能です。
自分のデータを見返すだけではなく、志望企業において最終面接まで進んだ他の学生の面接回答例や自己PRなども閲覧できます。
また、対応する企業は今後も増加する予定です。
適応能力のアピール・向上で就活力もUPさせよう
適応能力は、クリエイティブ職やIT業界などをはじめとする、全業界で重視される能力です。
コミュニケーション能力や行動力に直結し、他の能力と絡めながらアピールしやすい長所といえます。
一方で、伝え方を誤ると「流されやすい」「自分の意見がない」ととられることもあるため、アピール時のエピソードはよく考えて選ぶことが大切です。
自分の適応能力を判定したい人には、「REALME」の利用がおすすめです。
35項目で利用者の能力を判定し、アピールに適したスキルを可視化します。