「博報堂って倍率が高くて自分じゃ本選考突破は難しいかも……」
そうお悩みの就活生の方向けに、実際に博報堂の本選考を突破し、内定を獲得した26卒の方にインタビューを行い、選考突破のコツや内定獲得のための対策方法を伝授していただきました!
博報堂の本選考体験談を教えてくださった方

- 26卒
- 旧帝
- ロボット工学研究会
- 機械工学専攻
- メーカー志望
博報堂で話していたガクチカ・志望動機
博報堂のガクチカ
私が学生時代に最も力を入れて取り組んだのは、留学先のアメリカで現地の学生と一緒に立ち上げた地域活性化プロジェクトです。当初、文化や価値観の違いから意見がまとまらず、プロジェクトが停滞していました。しかし、私は「生活者の視点に立つ」ことを大切にし、地域住民へのインタビューを提案しました。現地の方々の本当のニーズを理解することで、チーム内の議論に具体性が生まれ、最終的に地域の若者と高齢者をつなぐイベントの企画・実施に成功しました。この経験から、異なる背景を持つ人々と協働する際には、共通の目標に向けて相手の立場に立って考えることの重要性を学びました。また、課題解決には創造的な発想と粘り強い実行力が必要だということも実感しました。
博報堂の志望動機
私が博報堂を志望する理由は、「生活者発想」という企業理念に強く共感したからです。広告は単なる商品の宣伝ではなく、生活者の心に響くコミュニケーションを通じて、人々の生活をより豊かにできる仕事だと考えています。博報堂は電通のような「勝利至上主義」ではなく、「クライアントファースト」で生活者目線を大切にする文化があると伺い、この価値観が私の考え方と完全に一致していると感じました。また、多様性を重視し、新しいアイデアを積極的に評価する企業風土にも魅力を感じています。留学中の地域活性化プロジェクトで培った異文化理解力と創造的思考力を活かし、クライアントのビジネス課題を解決するための戦略的なコミュニケーション設計に携わりたいと考えています。将来的には、グローバルに活躍できるコミュニケーションプランナーとして成長したいです。
博報堂の本選考の選考フロー

ES・Webテスト
エントリーシートと適性検査が2月から3月にかけて実施されました。ESは博報堂らしいクリエイティブな思考力を問う設問が多く、特に「あなたならではの視点・発想」や「人生を表すキーワード3つ」といった独特な質問が印象的でした。Webテストは一般的なGABでしたが、一次面接の後にあることが特徴的でした。
1次面接
4月上旬にオンラインで実施された個人面接でした。人事の方と現場の先輩社員の計2名が面接官を務め、時間は約45分でした。ESの内容をより深く掘り下げる質問が中心で、特に「あなたならではの視点」について具体的なエピソードを交えて説明することが求められました。面接官の方々は話しやすい雰囲気を作ってくださり、自然体で自分らしさを表現することができました。
グループディスカッション
4月中旬に本社で対面実施されました。学生6名、面接官2名の構成で、時間は約90分でした。お題は「少子高齢化が進む地方都市の活性化のために、博報堂ならどのようなコミュニケーション施策を提案するか」という実務に即した内容でした。個人検討、アイデア共有、グループ討議、発表という流れで進行し、チームワークと創造性の両方が評価されている印象でした。
2次面接
4月下旬に本社で対面実施された個人面接でした。現場のマネージャークラスの方2名が面接官を務め、時間は約1時間でした。一次面接よりも実務に近い深い内容の質問が多く、「クライアントから無理難題を言われた時の対応」や「良いコミュニケーションとは何か」といった実践的な質問が印象的でした。博報堂で働く上での価値観や姿勢を詳しく確認されている感じでした。
最終面接
5月上旬に本社で実施された最重要面接でした。役員クラスの方2名が面接官を務め、時間は約1時間15分と最も長い面接でした。これまでの面接とは明らかに雰囲気が異なり、より戦略的で将来性のある回答が求められました。「博報堂で実現したい夢」や「広告業界の今後の展望」といった経営者視点からの質問が多く、表面的な回答では通用しないと感じました。
博報堂の本選考ES
設問①
あなたが博報堂で実現したいこと
この設問では、単なる憧れではなく、自分の経験と結び付けた具体的な夢を記載することを意識しました。留学中の地域活性化プロジェクトの経験を踏まえ、将来的にはグローバルに活躍できるコミュニケーションプランナーとして、日本企業の海外展開をサポートしたいという具体的なビジョンを示しました。また、博報堂の「生活者発想」という理念を軸に、世界各国の生活者の心に響くコミュニケーションを創造したいという思いを表現しました。
設問②
これから10年後にありそうなニュース
SNS上での加工が当たり前になってきていることから、多様性が失われた世界がどのような社会課題を生み出し、それによって何が解決できるのかを中心に記載をしました。そこから、産み出される商品について単なる商品訴求ではなく、社会的意義と生活者の共感を生み出すコミュニケーションに結び付けることを意識しました。
設問③
これからの人生で達成したい中長期的ビジョン最大3つ
形式ばったものではなく、独自の視点ならではの発想から出せるものを意識しました。内容は全て業務に関連するものではなく、プライベートの内容も交え博報堂での仕事に従事することで、プライベートの充実に活かせると表現しました。
設問④
博報堂でチャレンジしたいこと
ガクチカとして記載した地域活性化プロジェクトについて、より詳細に記述しました。プロジェクトが停滞した際の困難さと、それを乗り越えるために実践した具体的な行動を時系列で説明しました。特に、チームメンバーの多様性を活かしながら、創造的なソリューションを生み出した過程を重視して記載し、博報堂での仕事にも通じるスキルをアピールしました。
設問⑤
あなたのこだわりや価値観など原動力となっているキーワード3つ
「多様性」「創造性」「共感力」という3つのキーワードを選択しました。多様性については留学経験と異文化理解の重要性を、創造性については新しいアイデアを生み出すことへの情熱を、共感力については相手の立場に立って考える姿勢をそれぞれ30字以内で具体的なエピソードとともに説明しました。これらのキーワードが博報堂の企業理念や求める人材像と合致することを意識して記述しました。
博報堂の本選考1次面接
聞かれた内容
一次面接では、自己紹介から始まり、My Engineについて、学生時代に最も苦労したことと乗り越え方、OB訪問について、博報堂についての理解度、他社の選考状況などについて質問されました。具体的なエピソードを求められることが多かったです。
面接で最も意識したのは、正直に真摯に答え、楽しそうに担当者の質問に答えるようにしました。また博報堂についてどれだけ知っているかの興味について聞かれることが多いので、事前にかなり調べていくようにしていました。
逆質問
逆質問では、博報堂の新人育成制度や実際の業務プロセス、クリエイティブな発想を生み出すための環境づくりについて質問しました。また、「生活者発想」を実践する上で大切にしていることや、多様なバックグラウンドを持つ社員の方々がどのように協働しているかについても伺いました。面接官の方々が実体験を交えて丁寧に答えてくださり、博報堂で働くイメージをより具体的に持つことができました。
博報堂の本選考グループディスカッション
聞かれた内容
グループディスカッションは担当者2名に対して、学生6人で実施されました。個人ワークが20分ほどあり、他のメンバーに発表、その後グループワークが90分ほどあり、最後にその内容について発表をしました。各メンバーが異なる視点からアイデアを出し、それらを統合して最終的な提案をまとめる必要がありました。
私は司会役を務め、メンバー全員の意見を引き出しながら建設的な議論になるよう努めました。博報堂らしい「生活者発想」を大切にし、その地域に住む人々の気持ちや行動を深く考えることを議論の軸としました。最終的に、面接官の方々は議論の様子を静かに観察されており、発言内容だけでなく他のメンバーとのコミュニケーションの取り方も評価されていると感じました。
逆質問
グループディスカッション後の質疑応答では、実際の博報堂でのプロジェクト進行方法や、多様なメンバーでチームを組む際の工夫について質問しました。また、クライアントとの合意形成で大切にしていることや、創造的なアイデアを生み出すためのチームワークについても伺いました。面接官の方々から実務に即したアドバイスをいただき、博報堂での働き方をより深く理解することができました。
博報堂の本選考2次面接
聞かれた内容
二次面接では、グループディスカッションでの役割と成果、博報堂で働く上で最も大切にしたい価値観、クライアントから無理難題を言われた時の対応方法、良いコミュニケーションとは何か、5年後・10年後のキャリアビジョン、博報堂と競合他社との違いに対する理解、困難なプロジェクトへの取り組み経験などについて質問されました。一次面接よりも実務に近い深い内容が多く、より具体的で実践的な回答が求められました。
特に印象に残ったのは「クライアントから無理難題を言われた時の対応」についての質問でした。単に要求を受け入れるのではなく、クライアントの本当のニーズを理解するためのコミュニケーションの重要性を強調して答えました。また、「良いコミュニケーション」については、相手の立場に立って考え、共感を生み出すことの大切さを、留学中の経験を交えて説明しました。面接官の方々は豊富な経験をお持ちで、私の回答に対してさらに深掘りした質問をされることが多く、その場での思考力と表現力が試されていると感じました。
逆質問
逆質問では、博報堂の営業部門とクリエイティブ部門の連携方法や、若手社員が大きな責任を担うプロジェクトの事例について質問しました。また、国際的なプロジェクトでの経験や、多様性を活かしたチームづくりで大切にしていることについても伺いました。現場のマネージャーの方々から実践的なアドバイスをいただき、博報堂でのキャリア形成についてより具体的なイメージを持つことができました。
博報堂の本選考最終面接
聞かれた内容
最終面接では、改めての志望理由、博報堂で実現したい夢のより具体的な説明、広告業界の今後の展望に対する考え、博報堂への貢献可能性、困難な状況でのリーダーシップ経験、博報堂の企業理念の理解と体現方法、他の内定企業との比較における博報堂を選ぶ理由、私たちに伝えたいことなどについて質問されました。これまでの面接とは明らかに雰囲気が異なり、より戦略的で将来性のある回答が求められました。
最も印象深かったのは「博報堂で実現したい夢」についての質問でした。個人的な成長だけでなく、社会への貢献や業界の発展への寄与も含めて具体的に述べることを心がけました。留学中の地域活性化プロジェクトの経験を活かし、将来的には日本企業のグローバル展開をコミュニケーションの力でサポートしたいという明確なビジョンを示しました。役員の方々は非常に鋭い質問をされ、表面的な回答では通用しないと感じました。自分の価値観や信念を明確に伝えることが重要だと実感しました。
逆質問
逆質問では、博報堂の将来的なビジョンや成長戦略、グローバル展開における重点施策について質問しました。また、若手社員が会社の発展に貢献できる機会や、イノベーションを生み出すための組織づくりについても伺いました。役員の方々から経営視点でのお話を聞くことができ、博報堂という企業の本質的な価値観や将来性について深く理解することができました。
博報堂内定までの流れ
面接結果の通知方法
各面接の結果通知は一貫してメールで行われました。ES、一次面接、グループディスカッション、最終面接と全て結果は面接から2週間後メールで通知がありました。その後、正式な内定通知書と入社関連資料が郵送で届き、内定者向けのイベント案内も同封されていました。
内定承諾はしたか?その理由は?
内定をいただいてから約3週間検討し、最終的に承諾いたしました。承諾の決め手となったのは、企業理念への深い共感でした。選考を通じて、博報堂の「生活者発想」という理念が単なるスローガンではなく、社員の方々の行動や思考に深く根付いていることを実感しました。この価値観のもとで働きたいと強く思いました。
また、創造的な仕事環境も大きな魅力でした。博報堂では、クリエイティブな発想を重視し、新しいアイデアを積極的に評価する文化があります。自分の創造性を最大限に活かせる環境だと確信しました。選考プロセスで出会った全ての社員の方々が、知的で温かく、プロフェッショナルでありながら人間味にあふれていたことも印象的でした。
実は電通や他の広告代理店からも内定をいただいていましたが、企業文化、仕事のスタイル、成長環境などを総合的に比較した結果、博報堂が最も自分の価値観と将来のビジョンに合致していると判断しました。多様性を力に変えてイノベーションを生み出す企業文化と、若手のうちから大きな責任を任される成長環境が決め手となりました。
選考全体を通しての感想
博報堂の選考全体を通じて最も印象的だったのは、学生一人ひとりの個性や独自性を大切にする企業姿勢でした。どの選考段階においても、画一的な回答を求めるのではなく、その人らしい考え方や価値観を引き出そうとする質問が多かったです。特にESでの「あなたならではの視点・発想」や「人生を表すキーワード3つ」といった設問は、博報堂らしい創造性を重視した内容でした。
選考プロセス全体が約3ヶ月という適度な期間で進行し、各段階の間隔も適切だったため、しっかりと準備時間を確保できました。また、選考通過者限定のOnline Meetupなど、企業理解を深める機会も豊富に提供されていました。
面接官の方々は皆さん知的で温かく、学生の緊張を和らげながら本質的な部分を見極めようとする姿勢が印象的でした。特にグループディスカッションでは、議論の内容だけでなく、他のメンバーとのコミュニケーションの取り方や協調性も丁寧に評価されていると感じました。
博報堂の本選考突破のコツ

博報堂の本選考を突破するためのコツ
博報堂の選考を突破するために最も重要なのは、「生活者発想」という企業理念を深く理解し、それを自分の経験や価値観と結び付けて表現することです。単に理念を暗記するのではなく、日常生活の中で常に生活者の視点で物事を考える習慣を身につけることが大切です。
また、博報堂は多様性を重視する企業なので、自分の個性や独自の視点を恐れずに表現することが重要です。ESの「あなたならではの視点・発想」のような設問では、他の人にはない自分だけの経験や考え方を具体的なエピソードとともに示すことが効果的です。
創造的思考力も重要な評価ポイントです。
Webテストの創造性テストや面接での発想力を問う質問に対して、柔軟で独創的なアイデアを提示できるよう、日頃から様々な分野に興味を持ち、新しい視点で物事を考える練習をすることをお勧めします。
博報堂を受ける人へのアドバイス
博報堂の選考では、テクニックよりも自分らしさを大切にすることが最も重要です。企業研究は必要ですが、それ以上に自分の経験を深く振り返り、そこから得た学びや価値観を明確にすることに時間をかけてください。
面接では、相手の質問の意図を理解し、具体的なエピソードを交えながら回答することを心がけてください。抽象的な話ではなく、実体験に基づいた話の方が説得力があります。また、グループディスカッションでは、自分の意見を主張するだけでなく、他のメンバーの意見を引き出し、全体の議論を建設的な方向に導く姿勢が評価されます。
広告業界やマーケティングに関する基礎知識も身につけておくと良いでしょう。最新の広告事例を分析し、なぜその広告が効果的なのか、生活者にどのような影響を与えているのかを考える習慣をつけることで、博報堂らしい視点を養うことができます。
まとめ
博報堂の選考は、学生の個性と創造性を重視する非常に丁寧なプロセスでした。「生活者発想」という企業理念のもと、一人ひとりの学生の独自性や価値観を深く理解しようとする姿勢を感じることができました。選考を通じて、博報堂という企業の本質的な魅力や働く環境について具体的にイメージすることができ、最終的に内定承諾に至りました。
これから博報堂を受ける方には、自分の個性や独自の視点を大切にしながら、「生活者発想」という理念を軸に据えて選考に臨むことをお勧めします。博報堂は多様性を力に変える企業です。自分らしさを恐れずに表現し、創造的な思考力を存分に発揮してください。きっと素晴らしい結果につながるはずです。