難易度別!フェルミ推定の例題・出題例、解法を紹介

フェルミ推定

採用面接の際に「フェルミ推定」の課題を出されることが多くなりました。

一見すると難しい課題のようにも思えますが、解答を導き出すためのポイントや対策があります。

この記事では、フェルミ推定に関する基礎知識や出題例・解法について、詳しく解説します。

>>REALMEの詳細を見てみる

もくじ

フェルミ推定とは

フェルミ推定とは、具体的な情報やデータが揃っていない状況において、大まかな推計値を求める特殊な思考方法です。思考プロセスや問題解決力を評価するために、企業の採用面接で出題されることが増えました。

このフェルミとは、20世紀に活躍したイタリアの物理学者エンリコ・フェルミに由来します。彼はデータが不足した中でも直感と基本的な知識を組み合わせ、限りなく正確に推定を導き出して、原子力の研究に多大な進歩をもたらしました。

こうした手法は、さまざまなビジネスシーンでも有効であると考えられています。そのため近年、面接に採り入れる企業が増えているのです。

丸暗記するとよいフェルミ推定の基礎知識

フェルミ推定の課題を解くには、ある程度の基礎知識が必要です。次の内容を、ぜひ丸暗記してください。

日本のデータ(世界のデータ)

人口:約1億2,000万人(世界人口:約80億人)
世帯数:約5,500万世帯
国土面積:約40万平方キロメートル
平均寿命:85歳
労働力人口:約7,000万人
1年に生まれる子供の数:約80万人
大学進学率:約50%
大企業の数:約1万社
中企業の数:約400万社
GDP:500兆円
平均年収:約400万円

丸暗記といっても、厳密な数値を記憶する必要はありません。大まかな数値や規模を頭に入れておきましょう。

上記のほかにも、専門領域によって知っておきたい知識はありますが、基本的にはその場での柔軟な切り口や身近な内容から考察するのがおすすめです。

日頃からさまざまな方面に好奇心を持ち、情報を収集・蓄積するよう習慣づけておくことが、フェルミ推定に活かされるでしょう。

【初級~中級編】フェルミ推定の例題

ここからはフェルミ推定の例題をご紹介します。

フェルミ推定は慣れないうちは難しく、取っつきにくいように思えますが、訓練を重ねればスムーズに解けるようになります。

まずは初級から中級編の問題に取り組み、基礎を押さえましょう。

日本にいる大学生の人数

このような例題の場合は、次のような流れで解きましょう。

解答例

1年に生まれる子供の数:約80万人
大学進学率:約50%
4学年
80万人× 50% × 4学年 = 160万人

ここでは「1年に生まれる子供の数」と「大学進学率」という2つの基礎知識を活用します。1~3の要素をもとに、出した答えが160万人です。

これが実際の統計と一致するかどうかは、さほど重要ではありません。基礎知識が活かされているか、また、回答のプロセスに矛盾がないかが問われます。

押さえておきたいのは「何を問われているか」という問題の把握です。この例題では「大学生の数」とあるため、短大生や大学院生などの数はあえて省いて考えています。

日本の年間テレビ販売台数

解答例

世帯数:5,500万世帯
テレビの平均使用年数を5年と仮定5,500万 ÷ 5 = 1100万台
テレビ離れでテレビを持たない世帯を半分と仮定550万台

この問題を解くには、基礎知識に加え、仮定による数値を用いる必要があります。

まず「日本の世帯数は5,500万世帯」という基礎知識がベースになります。続いて「テレビの平均使用年数」と「テレビを持たない世帯の割合」を推測し、計算を進めました。

ここでの「5年」「半分」という仮定は、回答者によって異なると考えられますが、問題ありません。正確な情報がない中でも、推測して答えを求めることが重要です。

1日あたりのコーヒー国内消費量

解答例

日本の人口:約1億2,000万人1日にコーヒーを飲む人の割合:大人を中心に消費されるため、人口の50%が飲むと仮定1億2,000万人 × 50% = 6,000万人
1人が1日あたりに飲むコーヒーの量:1杯が約150mlと仮定(家庭用のコーヒーカップの平均的な容量)消費されるコーヒーの回数:1日1.5杯飲むと仮定
1日のコーヒー消費量:6,000万人 × 0.15リットル × 1.5杯 = 1,350万リットル

ここでの前提条件は、日本の人口が約1億2,000万人であるということです。それに続く2~4は、仮定をもとに計算を進めています。この仮定が現実的な数字であれば、出した答えも現実のものに近くなるでしょう。合理的な仮定ができるかどうかが、問題を解く鍵となります。

【中級~上級編】フェルミ推定の例題・過去問

続いては、中級から上級の例題をご紹介しましょう。実際に企業の採用面接で出題された、フェルミ推定の過去問です。答えを出すまでのプロセスが複雑になりますが、順序立てて考えれば解けるでしょう。

日本のキャッシュレス決済額|ベインアンドカンパニー

解答例

GDP:500兆円キャッシュレス決済を現金以外の決済方法(クレジットカード・コード・NFCなど)と仮定キャッシュレス決済の普及率を人口全体の50%と仮定キャッシュレス決済の利用対象を娯楽と仮定(個人支出の30%とする)
500兆円 × 50% × 30% = 75兆円

この問題は不足したデータを仮定で補う部分が多く、答えを出すプロセスも人によって異なるでしょう。

前提条件は「GDPが500兆円であること」で、上記2~4は知識や経験に基づいた仮定です。この仮定に根拠があり、答えを出すプロセスが論理的に説明できれば、出した答えが多少現実と異なっていたとしても問題ないと考えられます。

日本の年間結婚件数|ボストンコンサルティンググループ

解答例

日本の人口:約1億2,000万人結婚適齢期を20~40歳と仮定し、人口の約30%(30歳分/平均寿命80歳)とする1億2,000万人 × 30% = 3,600万人
毎年この1/20(平均結婚年齢を30歳と仮定)が結婚すると仮定3,600万人 ÷ 20 = 180万人
カップル数を求めるため2で割る180万人 ÷ 2 = 90万組
再婚や離婚後の再婚を考慮し、10%程度増加すると仮定90万人 × 1.1 = 99万組

この問題では前提条件をまとめるために、より踏み込んだ推測が必要とされます。

ここで用いる基礎知識は「日本の人口」で、前提条件として、結婚適齢期とその年齢層に該当する人口、再婚の割合などを推測しました。

情報が揃わない中でこの部分を正確に言い当てるのは困難でしょう。しかし、フェルミ推定においては、条件を簡略化して仮定することで答えを導き出します。

トイレットペーパーの国内市場規模|モニターグループ

解答例

日本の人口は約1億2,000万人
1人あたりの半月の使用量平均1.5個と仮定
1年間の使用量1億2,000万人 × 1.5個 × 2 × 12か月 × = 43億2,000万個
1個の平均価格40円と仮定(12個で500円程度のセット売り)
年間市場規模 43億2,000万個 × 40円 ≒ 1728億円

この問題では前提条件として、1人が半月に使用するトイレットペーパーの量を、経験をもとに仮定しました。さらに、トイレットペーパー1個あたりの平均価格を推測し、計算を進めています。

ここでのポイントは使用量の仮定ですが、常識的な数値を出していれば、最終的に出された解答が現実と大きく乖離することはないでしょう。

フェルミ推定で面接官・採用担当者が見ているポイント

採用面接におけるフェルミ推定の課題では、いわゆる「地頭がよい人」を見極めようとしていると考えられます。

では、実際にどのような能力を見ているのか、面接官や採用担当者が評価しているポイントを解説しましょう。

抽象的な問題を分解して具体化する能力

フェルミ推定では、抽象的な問題を具体的な要素に分解し、大まかな数値として把握する能力が試されます。この能力により、直面している問題を俯瞰して全体像を捉え、解答を論理的に求められます。

こうしたスキルは、ビジネスシーンで起こる予測困難な問題を解決するのに役立つでしょう。

時間制約の中で柔軟に判断する能力

フェルミ推定の課題では、限られた時間の中で柔軟に判断できる能力も、評価の対象となります。

実務の現場においては、正確であることはもちろん、迅速に対応できることも重要です。こうしたスキルは、ビジネスシーンに限らず生活のさまざまな場面で活かされるでしょう。フェルミ推定の訓練を重ね、スキルを磨いておくようおすすめします。

複雑で曖昧な内容を対応・説明する能力

フェルミ推定の課題が出る際は、解いたあとに説明する時間を設けるケースがほとんどです。ここでは、複雑で曖昧な内容を分かりやすく伝える、プレゼンテーションのスキルも試されます。

「課題の全体像をどのように捉えたか」「仮定とその根拠」「分解した要素」について、簡潔かつ論理的に伝えるよう意識しましょう。

そつなく取り組めているかの意欲

フェルミ推定では、課題に取り組む姿勢も評価の対象とされます。複雑な問題に対して意欲的に取り組む姿勢は、高く評価されるでしょう。

また、解答について説明する過程で、試験官から思わぬ指摘を受けることもあります。その場合は指摘を速やかに受け入れ、誤りがあれば修正しましょう。試験官は解答の正誤ではなく、受験者の思考の速さや対応の柔軟性を見ています。

AI模擬面接「REALME」で内定可能性をチェックしよう

>>REALMEの詳細を見てみる<<

就職活動に不安を感じる方や、内定に近づくポイントを知りたい方には、就活サポートツールの「REALME」がおすすめです。

AIを活用した面接を通して自分の現在地を把握し、外資コンサルや投資銀行など、難易度の高い大手企業でも、自信を持って就活に臨めます。

ここからは「REALME」をおすすめする理由について解説しましょう。

志望企業に対する自分の現在地がわかる

フェルミ推定を選考に採り入れる企業は、選考の難易度が高い傾向にあります。「REALME」を活用すれば、入社を希望している高難易度な企業と、自分が今いる立ち位置との関係が掴めます。現在の内定判定が分かるため、最適なタイミングでのエントリーが可能です。

自分の強み・弱みをAIで客観的に分析できる

REALME」では、AI面接によって35項目にも及ぶ精密な評価が受け取れます。その中にはフェルミ推定で問われる、論理的思考力・伝達力・言語化力などの能力が含まれるほか、主体性・柔軟性・臨機応変さ・チャレンジ精神といった人柄の評価も分かります。

「REALME」のフィードバックは、自分の強みや弱みを客観的に分析でき、フェルミ推定の対策をする際の指針となるでしょう。

合格基準になるAIデータの例を閲覧できる

REALME」では、志望企業の合格基準を満たしているAIデータの例を閲覧できます。合格ラインを突破した就活生のAI面接の内容や、エントリーシートのデータを見ることは、内定判定を上げるためのポイントを捉えるベースとなります。

自身に足りない部分を把握することによって、フェルミ推定を含む面接試験への対策が立てられるでしょう。

フェルミ推定を習得して高難度な企業の内定を得よう

フェルミ推定は、情報が不足した状況下で、仮定に基づき大まかな推計値を算出する思考方法です。採用面接で出題されるだけでなく、入社後の業務にも活かせて、即戦力として活躍することにもつながります。

一朝一夕では身につかないようにも思えますが、繰り返し例題に取り組むことによって習得が可能です。評価されるポイントを押さえ、対策しましょう。

採用面接や自己分析をする際は、就活サポートツールの「REALME」がおすすめです。AI面接やフィードバックを活用し、内定獲得を目指しましょう。

>>REALMEでAI面接してみる

もくじ