近年、オンライン面接の普及やAIの技術向上を受け「AI面接」を導入する会社が増加しています。AI面接とは名前の通り、AIによる新たな面接方式ですが、AIが面接官のためカンペを見ながら回答してもよいのかと疑問に思う人も多いのではないでしょうか。
この記事では、AI面接ではカンペを見てもよいのかや、使う場合の注意点、カンペを使わないためのポイントを解説します。最後には就職活動に役立つツール「REALME」についても解説しています。
AI面接でカンペを見てもよい?
結論から述べると、AI面接でもカンペを使うとバレる可能性があります。カンペを見ながら面接していると、視線が不自然に動いてしまい、それをAIが感知し減点につながることもあるでしょう。どうしてもカンペを使いたいという場合は、カンペを置く位置に注意し、AIから視線や態度の不自然さを感知されないように工夫したうえで臨むことをおすすめします。
AI面接でカンペを活用するメリットは?
ここでは、AI面接でカンペを活用するメリットをご紹介します。人間相手の面接とは異なり、目線や態度に注意さえすればカンペを活用できるのがAI面接の強み。とくに本番のプレッシャーで失敗しやすい人は、カンペを有効活用することでさまざまなメリットがあります。
固有名詞を漏らさずに発言できる
AI面接でカンペを活用するメリットとして、固有名詞を漏らさずに発言できることが挙げられます。企業名はもちろん、部署名や事業名、プロジェクト名、業界特有の専門用語など、言い間違えやすい用語はカンペがあると安心感がありますよね。
とくに面接のために新しく覚えた固有名詞は、本番で緊張するとつい頭から抜けてしまうことも。AI面接では人間相手の面接とは異なり、面接官に助け船も期待できません。すべて自力で解決する必要があるからこそ、カンペの有用性が光ります。
想定した通りの内容を話せる
想定した通りの内容を話せることも、AI面接でカンペを活用するメリットです。とくに自己PR時間が3分以上与えられているような面接では、緊張のあまり理論的な説明に失敗してしまうリスクがあるものです。
たとえば少し長いガクチカを用意した場合、「いざ話し始めると内容がうまくまとまらない」という経験をした人も多いのではないでしょうか。カンペさえあれば、頭が真っ白になってしまっても練習通りの内容を伝えられます。
AI面接でのカンペ使用にはデメリットもある
ここでは、AI面接でカンペを利用するデメリットをご紹介します。AI面接の大きな味方になってくれるカンペの存在ですが、使い方によってはマイナスなイメージを与えてしまうことも。カンペ特有のリスクを把握したうえで、効果的な活用につなげていきましょう。
熱意が伝わりづらい可能性がある
カンペを利用することで、相手に熱意が伝わりにくい可能性があります。カンペでは、記載された内容を台本のように読み進めていくことになりますよね。言葉に感情が入りにくいため、棒読みのような話し方になってしまいがちです。
その結果「本気度が足りない」「人間らしさを感じられない」と受け取られてしまうケースがあるでしょう。カンペを使って滞りなく話せる状態は魅力的ですが、用意する際は抑揚をつけた話し方の練習も必要です。
予想外の質問に対応しづらくなる
カンペに頼ったAI面接では、予想外の質問に対応しにくくなる可能性もあります。カンペに記載された内容は、あくまで事前に対策した質問に関するものです。頭が「書いてあるものを読み上げるだけのモード」に入っているときにイレギュラーな質問をされると、カンペ無しのとき以上にパニックになってしまいがちです。
カンペを読んでいるときに落ち着いているからこそ、狼狽した様子は印象的に伝わってしまいます。その結果、カンペ利用を疑われてしまうリスクも考えられるでしょう。
面接官から好印象を持たれづらい場合がある
AI面接でカンペがバレてしまった場合、面接官からはネガティブな印象を抱かれてしまう可能性が上がります。面接官はカンペの利用に抵抗感を抱いているケースが多く、面接内容が上出来だった場合でも「カンペを使っている」というだけで落とされてしまう場合もあるでしょう。
カンペがバレた瞬間、その面接は「マイナスからのスタート」といえます。マイナスを覆すほどの自信や、カンペの存在を絶対に隠し通せる自信がない限り、最初からカンペ利用を控えるのも一つの手段です。
AI面接でカンペを使う場合の書き方は?
前述の通りできるだけカンペは使わないことをおすすめしますが、AI面接でカンペを使う場合、カンペの書き方にもポイントがあります。ここでは、カンペを書く際のポイントについて解説します。準備する場合は以下のポイントを押さえて書いてみてください。
要点のみ書く
カンペに長い文章を書いてしまうことで、話し方や目線の動きが不自然になり、AIに感知されやすくなるでしょう。そのため、すぐに話の内容を思い出せるよう、メモ程度に要点だけ書くことをおすすめします。要点だけをパッと見て話す練習をすることで、より自然な話し方ができ、カンペを見ていることでの減点を避けられるかもしれません。
話す順番を書く
話を伝える際、AIにも分かりやすく理解してもらえるように、伝える順番を考えておくことも大切です。面接では、緊張で伝えたい内容が飛んでしまうこともあります。カンペには、要点と合わせて話す順番を書いておくことで、落ち着いて整理しながら論理的に話せます。順番だけなら目を凝らして見る必要がなく、視線が不自然になることを避けられるでしょう。
文字は大きめに書く
カンペの文字が小さく読みづらいと、内容をすぐに確認できず、ついつい目を細めてしまったり、確認に時間がかかってしまいます。カンペとの距離感を考え、無理なく読める程度の文字サイズを選びましょう。例えば付箋に書く場合は、キーワードをいくつか大きめの文字で書いておくことより、内容がひと目で分かり、自然な話し方ができます。
AI面接でカンペを置いておく位置は?
AI面接でカンペを使用する場合は、どこにカンペを置けばよいのでしょうか。不自然さを出さないためにも、カンペを置く位置は非常に重要です。ここでは、カンペを見ながらでも自然に話ができる位置について解説します。
カメラの周辺
一つ目は、カメラの周辺です。カメラ近くにカンペがあれば、視線をカメラに向けられます。また、何よりもカンペがカメラに映りこんでしまう心配がないため、本番中でも自然にカンペを使うことが可能です。対人間の面接では面接官の目を見て話をします。AI面接でも同じで、AIの目(カメラ)を見ながら話すことが重要なため、カンペはカメラ周辺がおすすめです。
パソコンやカメラの後ろ
二つ目は、パソコンやカメラの真後ろです。真後ろにカンペを置けばカメラに映ってしまう心配はありませんが、遠すぎると見えづらく視線が不自然になるため、自分からカンペの位置が遠くなりすぎないように気を付けましょう。また、数箇所に分けて置くと視線がカメラに集中しないため、1箇所にまとめて置く工夫も必要です。
パソコンの画面を半分にする
三つ目は、パソコンの画面を半分にすることです。パソコンを使ったAI面接の場合は、パソコンの画面半分をカンペとして、並べて使うこともおすすめです。
wordや、パソコンのメモ機能を活用して、画面に出るようにしておくとよいでしょう。面接画面とカンペを並べて表示することで、視線を動かすことなくカンペも自然に確認できます。なるべくカメラから視線がずれないように、カンペは大きく分かりやすく表示させておくことがポイントです。
AI面接でカンペを見ずに対応するためのポイントは?
ここまで、カンペを見て面接を受けるにはどのようにすればよいのかを解説してきましたが、面接ではできる限りカンペを使わずに対応できることが望ましいでしょう。それでは、カンペを見ずに対応するにはどのようにすればよいのでしょうか。ポイントを解説します。
よく聞かれる質問を予習する
対人間の面接ではない分、AI面接では聞かれる内容が予め決まっている傾向にあります。また、将来のビジョンや展望を聞くような内容の質問より、過去を問う質問のほうが多いとも言われています。なぜなら、応募者がこれまで何をしてきたか、どのような考えで生きてきたのかを問うことで、その人を合理的に理解できるとされているためです。AI面接でよく出される頻出質問や過去に関する質問を想定して、回答の準備をしておきましょう。
AI面接の練習をする
「対人間の面接は経験したことがあるけれど、AI面接は初めて」という人も多いのではないでしょうか。想像だけでは的確な練習ができず、漠然とした不安を抱えたまま面接することになるでしょう。そのような場合は、AIでの模擬面接を受け、形式に慣れておくことで、本番でもスムーズに自分の考えを伝えられます。AI面接を練習できるツールもあるため、うまく活用して練習しましょう。
AI面接で合格するための4つのポイント
ここでは、AI面接で合格するためのポイントを4つご紹介します。AI面接でも人間相手の面接と同様に、回答の具体性やビジネスマナーなどが重視されます。「相手は人間の面接官と同じ」と認識したうえで、具体的な対策につなげましょう。
具体性を意識する
AI面接で合格するためには、内容の具体性を意識しましょう。AIは人間以上に「抽象的表現」や「詩的な表現」が伝わりにくい傾向にあります。比喩表現や曖昧なニュアンスは極力カットしたうえで、わかりやすく現実的な内容を構築しましょう。
定性的な表現は避け、数字やデータに基づいた定量的な表現を選ぶのがポイントです。実体験のエピソードも踏まえながら、具体性の高い内容にすることで、AIにもわかりやすい自己PRにつながります。
結論から先に伝える
AI面接では、質問に対して結論から先に伝えるように意識することが大切です。「結論、理由、具体例、結論」の順番に話す手法を「PREP法」といいます。PREP法は話の内容を論理的にし、一貫性・説得性を持たせるために役立ちます。
PREP法はAI面接だけではなく、人間相手の面接や社会に出た後のコミュニケーションにおいても重要な手法です。ビジネスシーンの会話では、日常会話でよく用いられる「起承転結」の順番は好まれません。結論ファーストを心がけ、わかりやすい内容を構築しましょう。
話すことをSTAR法で簡潔にまとめる
PREP法と同様に、「STAR法」もAI面接で有効な手法です。STAR法とは「状況説明、当時の自分の課題、課題に対する行動、行動による成果」の順番で話す手法のこと。具体的な経験や事例を、AIに明確に伝えるために役立ちます。
STAR法を適切に使用するためには、なるべく一文を短く簡潔にすることが大切。状況説明も必要な要素のみに絞り、伝えたい内容がぼやけないように調整しましょう。ガクチカやエピソードを伝える際に、STAR法はとくに有効です。
AIが聞き取りやすい声の大きさ、スピードを意識する
AI面接に合格するためには、AIが聞き取りやすい声の大きさやスピード感を意識することも大切です。どれほど良い内容を話しても、AIに認識してもらえなければ意味がありません。パソコンや利用予定ツールの音声認識機能を活用しながら、マイクを通したボリューム感などを把握しつつ調整しましょう。
話す内容を事前に録音して、自分で聞き返すのも有効です。とくに緊張すると早口になってしまいがちな人は、周囲に模擬面接のかたちで協力してもらうのも良いでしょう。
AI面接は「REALME」を活用しよう!
AI面接の練習をしたい人や、AI面接のことについてさらに深く知りたい人には、「REALME」の活用がおすすめです。「REALME」ではES作成から面接まで、就活のすべてが対策できます。
ここでは、「REALME」の活用方法について解説します。
AI面接を通して自分の強みと弱みを把握できる
「REALME」では、AI面接を通して自分の強みと弱みを把握できます。
約20分のAI面接で、客観的な視線から自分の強みや弱みが可視化されます。自分の強みを知ることで、面接でのアピールポイントが分かり、志望動機や自己PRの自己分析にも役立つでしょう。
また、自分の強みに合った企業や業種の特徴も分かり、企業の選択肢が広がりミスマッチも防げます。
AI面接の結果で志望企業の内定判定が分かる
「REALME」ではAI面接の結果を過去の合格者データと比較することで、志望する企業の内定判定が分かります。面接のフィードバックももらえるため、現時点での合格までに足りない部分が分かり、内定に近付く的確な対策が可能です。
AI面接を重ねることで内定判定が上がり、本番はカンペに頼ることなく自分の言葉で考えや経験を伝える余裕が持てるでしょう。
合格ライン就活生のAI面接結果が見られる
「REALME」では、志望企業に合格した就活生の面接回答例やESのデータが閲覧可能です。質問に対して合格者がどのように回答したのかを確認することで、自分の回答と比較して足りない部分を補う対策ができます。
効率的な面接対策により、カンペを作らなくても面接官の質問に自信を持って答えられるでしょう。
AI面接のカンペ使用は気を付けよう!
AI面接でのカンペ使用は、決して悪いことではありませんが、使い方によっては減点につながる可能性もあります。カンペを使用する際には、視線が自然に見える置き方や書き方のポイントを押さえておきましょう。「REALME」のAI面接で、模擬面接や事前の準備を完璧にしておくことで、カンペを用意せずとも内定の確率を上げましょう。